僕と彼女の距離
僕と彼女の距離・・これは変わらないものと思っていた それは・・・いい意味でも・・悪い意味でも・・ 「おばさん、こんにちは~♪ これ、パパが今夜の一品にどうぞって・・」 チャイムを鳴らす事もなく… 気づけば既にあがりこんでいるシン・チェギョンお隣さんで、僕の幼馴染 「あらぁ~悪いわね、いつも。」 そう言いながらも、すんなりと受け取る僕の母 「いいの、いいの。...
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「ねぇ… 最近、シン君って変じゃない?」 「変って・・? シン兄は昔っから変だけど?」 呆れた風にユルを見るチェギョン「――― そうじゃなくってさぁ… なぁんか、こう・・余所余所しいって言うか・・。」 「そうかな?」 首を傾げるユル 「そうだよぉ…。 絶対、なんか変だし。」 「う~ん… じゃあ、彼女でもできたんじゃない?」 「彼女ぉ――――――っ!」...
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顔を覗かせた彼女はなんの躊躇もなくごくごく普通に僕の部屋に入り、隣に腰掛ける そこがベッドの上だという事を・・わかっているのだろうか あまりにも無防備でこの距離が僕を苦しめる 「あのね、シン君・・ そのぉ… なにか私、シン君の気に障る様な事した?」 まん丸な彼女の眼がじぃっと僕を捉えている。 「べつに…」 「でもさぁ、どうも最近、シン君が余所余所しいっていうか――」 「気のせいだろう。」...
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彼女の柔らかな唇に、僕の唇が触れた それはほんの僅かな時間だった 「・・・・ごめん・・。」僕は咄嗟に彼女から身体を離し、顔を背けるようにして謝った。 どうしてkissなんてしてしまったのだろう――― 僕だってハンチャンテなお年頃そりゃあ… 興味だってある彼女のプルンとした唇に触れたら・・そんな事を考えて眠れなくなった事だってあるぐらい そんな気持ちが溢れだしたのか?...
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僕がシン兄を少しばかりからかっている間にチェギョンは既に僕の部屋に入り込んでいた。 壁に飾られた小さな頃の僕らの写真を、眺めながら… ひとりごちている『はぁ――― どうしてkissなんてしたのかしら… 好きな子がいるくせに。』 彼女のひとりごとはひとりごとではない僕はワザとらしく大きく咳払いをして部屋に入るそして何も聞いていなかったかのように「・・で・・ どうだった?」...
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はぁ…全く今日はなんて一日なのよシン君にはkissはされちゃうわユル君には――― 壁ドンの威力があんなに強力とは…しかも、あんな真面目な顔・・反則だし… 「僕は… 好きだよ。 チェギョンの事・・ 」...
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ここまで言っておいて――― ユルの奴… いくら鈍感だと言えども、コイツだって気づいただろう僕の気持ち だから・・ この沈黙なんだよなとにかく・・・ ちゃんと伝えよう 僕の気持ちを 僕は意を決して、少しばかり大きく息を吸い込んだ 「「 あのっ… 」」 なんで、このタイミングで被るんだ…「何?」 「ふぇっ… あぁ・・っと… シン君からどうぞ…。」...
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遮光カーテンの隙間から陽が差し込む。「……っつ……」軽い頭痛に見舞われる。『飲み過ぎたか…』小さく息をはき、まだ重い瞼の上に手を置いた。『もう少し…寝るか…』今日は、祝日だ。仕事もない。ブランケットを引き寄せながら寝返りをうつ。「ギシッ…」...
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あの黒猫ちゃんがねぇ…店に入って20分ぐらいは1人で飲んでいた。 まぁ、すぐに声をかけてくる女なんてまずはいない。 だいたい、連れがいない…そう判断してから近づいてくるからで… どうやら、その目安が20分ぐらいらしい。 頃合いを見計らったようにその女は俺の側へとやってきた。 気高くツンとすましているようで、時折みせる甘えたようなしぐさ… この女は自分の魅力をよくわかっている。...
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『もうっ!信じられないっ!』 心臓が信じられないほどバクバクしてる。 信じられないのは彼に対してもだけど、私自身に対してで… 油断してた… 酔っ払いなんて、朝は遅いって思い込んでたし。 「習慣って恐ろしいわっ」両手で自身の頬を挟み、呟く。 バスタオル1枚で部屋をうろつくなんて、1人暮らしの私には当たり前な事で… でも今は… 盛大なため息とともに恨めしげにドアの向こう側を眺める。...
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