お久しぶりなこのお話
皆さん、お忘れでしょ(激爆)
他にも2つあるんだよね、書きかけ ![]()

はぁ―― どうするべ・・
せつなで頭ん中がちょいと変?
やっぱ、ギョン君・・好きだなぁ♥(笑)
ここでのキューピットは私でしょ
この2組の恋を成就させるべく・・頑張るべかな ![]()






正直、皇太子殿下のお出ましには驚いた。
だって今日はギョン君とファン君、そしてガンヒョンの4人だと思ってたから・・
きっと、ファン君はギョン君の告白を後押しすべく、
私に遊園地の話を持ちかけてきたはずだったし…
でも、此処で私が逃げ出しちゃったら、きっとガンヒョンも帰るって言い出すわよね?
正直、殿下と面と向かって顔をあわせるのはちょっと・・
もし、倉庫での話を殿下が立ち聞きしてたらと思うと心臓が飛び出しちゃいそうで。
だけどチラッと殿下の様子を盗み見ると、いつもと何ら変わりないっていうか・・
よくよく考えてみれば、再び、勉強会に顔を出してくれるようになった時も
話したりはしてないけど、別段いやな顔もされなかったし、
殿下は立ち聞きなんてしてなかったのよね、きっと。
なぁんだ・・
あの時、倉庫で殿下に自分の気持ちを立ち聞きされてたら――
そう考えたら、自分の気持ちはちゃんと自分で伝えたい・・
そう思って告白しようなんて思ったけど…
告白なんて、できなくって良かったのかもしれない。
チェギョンは小さくふぅっと息を吐いた
ただ、ギョン君には頑張ってもらいたいな。
正直、ガンヒョンがどんな反応を見せるのかは想像もできないけど・・
横にいるガンヒョンをチラリとみる。
よぉ~し、今日は思いっきり楽しんじゃうんだから♪
両手をグイッと青空へ伸ばした。
「やっぱり、最初はこれで決まりよね…。」
開園前、
パンフレットを手にまわる順序で盛り上がるチェギョンとガンヒョン。
「へぇ~、どれどれ?」と首を突っ込むギョン。
「そりゃあ、もちろん… これに決まりでしょ♪」
チェギョンが指差したのは、ここの遊園地の目玉でもあるジェットコースター
「いきなり?」 ギョンの顔が微妙に引きつる。
「当り前じゃない。
開園直後にダッシュすれば待ち時間はほぼなしなのよ。
だけど、他のを先にまわってたら、すぐに1時間待ちになっちゃうもの。」
「だけど、これ・・一番奥にあるじゃん…
まずは手前のから順にさぁ・・。」
「だめだめ、せっかく開園前に来てるんだもん。 その利点を生かさなくっちゃ♪」
チェギョンとガンヒョンは顔を見合わせ、当然とばかりにコクコクと頷く。
「はぁ―――。」
いきなりジェットコースターは勘弁してほしい…
やっぱ、ウォーミングアップは何事にも必要だろ?
頭をかきながら、ギョンはもう一人の存在を思い出した。
「あっ… やっぱ、それは却下だな。」
「どうして?
はっは~ん、さてはギョン君、ジェットコースターが怖いんでしょ。」
「そんな訳ないだろう。」
「俺は大丈夫だけどさ… ただ、シンの奴が無理なんだ。」
チラリと残念そうにシンの方へと視線を向けるギョン。
「 !! 」
「もしかして・・殿下はジェットコースターがダメなの・・・?」
ガンヒョンとチェギョンの視線がシンに注がれる。
シンはギロッとギョンを睨む。
その視線にたじろぐ様にギョンは口を開く
「あ・・あのさ、シンはジェットコースターに乗れないっていうんじゃなくって、
走っちゃダメなんだ。」
「走っちゃ・・ダメ?」
「あぁ…一応、法度で禁じられている。」
ジッと注がれる視線を避けるように、シンは顔を少し横にずらしながら答える。
「えぇっ、じゃあ、トイレとか―――」
漏れそうな時、どうするのって聞きそうになって、慌てて口を噤んだチェギョン。
あまりの質問にシンは驚き、チェギョンを凝視する。
「って・・ 殿下がトイレなんてねぇ~。 あはっ・・あはははは…」
笑ってごまかすチェギョン。
『馬鹿チェギョン!』 ガンヒョンが肘でチェギョンを軽くつく。
だがチェギョンを上回るバカはいる訳で・・
「なに言ってんだ、チェギョン。
皇太子って言ったって、シンだって人間だぞ、屁もすれば、糞もする!」
「この前、遊びに行ったときなんか、シンの奴、
コンちゃんに太いのが出たって自慢してたんだからな~♪」
「「 ・・・・・・。」」
何とも言えない沈黙
『馬鹿ギョン!』 誰もがそう思ったに違いない。
だがその沈黙を破る様に、園内アナウンスが開門を知らせ、人の流れが4人を押す。
その流れに身を任せる様に園内に入るとシンがチェギョンとガンヒョンに耳打ちする。
「走るぞ――。」
更に眼深に帽子をかぶり直すシン。
「「 !? 」」
驚き振り返るとそこにシンの姿はなく、シンは既にチェギョン達の前を走りだしていた。
顔を見合わせたチェギョンとガンヒョンはコクリと頷くと駆けだした。
シンは走れない―― そう、たかをくくっていたギョンはパンフレットを手に頭を悩ませる。
「さて…どれから廻るのが一番いいかなぁ~。
どれがいいと思います、ガンヒョンさ・・ん・・・」
意見を聞こうと顔をあげ、周りに誰もいないことに気づいたギョン。
「まさか・・」 パンフレットに視線を落とし、
ジェットコースターのある方向に目を向ければ、人波の中に長身の男が目についた。
「シンの奴、走れるんじゃん…。」
「はぁっ、はぁっ…」 少しばかりあがる息も気持ちいい。
目的地に着き、出来つつある列に並ぶ。
「走ってもいいんですか、殿下っ。」
「本来はダメだろうな…。」
「だけど、何故、法度でそんな事が定められていると思う?」
「それは、きっと過去にも守らない者がいたからさ――。」
走る気なんてなかった… ギョンがあんな馬鹿な発言をしなければ・・
だけど、おかげで何かが吹っ切れた気がする。
意外とも思える答え…
氷の皇太子がフッと笑った。
ぼぉっとシンを見るチェギョンに変わって、ガンヒョンが言う
「まぁ、確かに… 学校もそうだものね。
チェギョンみたいに服装を守らない人間がいるから
生徒指導の先生はいつも大声をあげている訳だし…
みんなが守っていれば、そんな校則なんてなくったっていいものね。」
「ちょっと、ガンヒョン!」
「私は好きで校則を破ってるんじゃないわよ。
私は美術科の生徒として、ハイブリットなファッションを
芸術高校の生徒に発信してるだけで―――」
「ハイハイ… ハイブリットなファッションをね・・。」
呆れた風に両手を掲げ、ガンヒョンは小さく首を横に振ると、シンに話題をふる。
「殿下は、あの格好、どう思います?」
「君の言うとおり、僕もあれは―― どうかと・・。」
幾度となく見ているが、何故、スカートの下にジャージを着用してるのか…
最初は体育の後、脱ぎ忘れたのかとも思ったが・・
「へっ!?」 驚くチェギョン。
「そうですよね…。」 ニンマリと微笑むガンヒョン。
「こんなに綺麗な脚をしてるんだもの、見せなくっちゃねぇ。」
そう言われ、シンはチェギョンの脚に目を向ける。
ショートパンツから覗くすらりとした脚
眩しいほどの脚線美に、シンは目を逸らし、軽く咳払いをした。
「あぁ~~っ、マジ、信じられねぇ…
シン、おまえ、走れるんじゃん。」 息をあげ、漸く皆に合流したギョン。
「場合によっては、僕だって走ることはある。」
「ったく… 俺をおいてけぼりにするなんて・・。
今度、宮家に遊びに言ったらコンちゃんに言いつけてやるっ!
シンの奴が、遊園地で走ってましたってさ♪」
「な・・なにっ!」 シンの眉がピクリとあがる
「ハイハイ… 何、子供みたいな事を言ってるのよ! 全く・・」
呆れた風に2人を見たガンヒョン。
「ガ・・ガンヒョンさん…。」
うわっ、いきなりマイナスイメージかよ… シンのせいで
両手で頭を抱えたギョン。
だが本人が気づいていないだけで、既にイメージはかなりマイナスなのだが…
「はぁ~~。」 ガンヒョンは大きくため息をつく。
「意外だったわ。
氷の皇太子って言われる殿下が、こんなにもガキだったなんて…。」
眼鏡を整えながら、チラリとシンを見る。
歯に衣着せぬガンヒョン。
「はっ?」 目をテンにしたシン
「ぷっ・・」 噴き出しかけて、ギョンは慌てて口元を押さえた。
「あっ… でも、いい方に期待を裏切られたって感じよ。
せっかく気晴らしに来たのに、正直、殿下を見たときどうなっちゃうのかって…。」
「でも今日はいろんな意味で楽しめそうだわ、ねっ、チェギョン♪」
ぼぉ~っとシンをみるチェギョンにガンヒョンは声をかける。
「ふぇっ・・! えっと… うん。」
不意をつかれて、こちらに視線を向けたシンと眼があった。
「よぉ~し、今日はいろんな意味で楽しみましょうね、ガンヒョンさん♥」
ニマッと微笑んだギョン。
「「・・・・・・。」」
なんでだろう…
この男がそう言うと違う意味のように聞こえるのは・・
「そ・・そうね…。」
顔を引きつらせながらガンヒョンは微笑んでみる。
「じゃあ、取りあえず、ガンヒョンさんっ、これ、俺と一緒に乗りましょう♥」
「へ・・・」
な・・なんで…あんたと・・
一瞬、そう思った
だけど… これってチェギョンにとってはチャンスって言うか―――
此処は親友の為に
「そ・・そうね。それもいいかもね…。」
「チェギョンも殿下も、それでいいかしら?」
一応、確認をとってみる。
「あぁ・・。」
「えっと… うん。」
OKしながらも、互いに視線を逆の方に逸らした2人。
「じゃあ、それで決まり♪」 ひとり大満足なギョン
ガンヒョンは小さく息をつく。
まぁ…あの2人、微妙な雰囲気だけど大丈夫よね・・
殿下は表の顔とは違う一面がありそうだし、
チェギョンの方は、今はちょっと緊張してる感じだけど天然だし…
暫くすれば、どうにかなるでしょ…
それにしても、チェギョン――
この貸しは大きいからね。
チェギョンの恋を応援するガンヒョン
まさか自分が恋のターゲットになっているとは・・
全くもって気づいていないのであった。